子供じゃないもん'17

生きるって超せつない

夜の隙間に抱かれて



明日はやいからと

時計の針がてっぺんで重なる前に

少し冷めた布団に入る。


いつも夜更かししている人が

そんな簡単に寝れる訳がないのだけど


深い呼吸をすることに集中してみたり

ベタとわかっていながら羊をかぞえたり

一応、がんばってみる。



どうしてだろう。

寝よう寝ようと思うほど

どんどん脳が覚醒してくる。

目が冴えてくるのだ。



もう無駄だと諦めて体を起こし

近くにあった飲みかけのペットボトルに手を伸ばす。なんだか夜の味がする。


カーテンの隙間から街灯の光が差し込んで

もうしばらく読んでいない本たちを照らしている。



眠ることを諦めた夜。

まるでドラマの主人公みたいに

夜が私を輝かせる。



そうだ、散歩に行こう。

いかにも気怠そうなスウェットのまま

私は夜への扉を開けた。